■文章チェックのためのアプローチ
1 成果の少ない赤ペン先生方式
文章チェック講座のテキストがやっと印刷に回りました。リーダーがスタッフの文章をチェックしていくときに、どういう風にするのが良いのか、そんな話です。6時間の講義をテキストにすると、だいたい普通の本一冊分の内容を盛り込むことになります。
生成AIが急速に進歩していますので、スタッフの文章だけでなくて、生成AIの文章のチェックも必要です。スタッフの文章をチェックするときにルールを作って、客観的な評価をするように努めるならば、そのアプローチが生成AIの文章チェックに使えるでしょう。
世の中には、文章チェックというと、何らかのビジネス文を事例にして、それをどうやって添削するのかを示すことだと思っている人がいます。いわゆる赤ペン先生方式です。これで成果が上がるのなら苦労する必要はありません。最初に否定すべき方法です。
2 イギリスの英文法と日本の文章読本
イギリスで産業革命が起きました。18世紀後半のことです。急速な産業化で、仕事の管理者が必要になりました。きちんとした文章が書ける人がいないと困るのです。その時必要になったのは英文法でした。1795年にマレーの英文法が出て、ベストセラーになります。
文章を書くときのルールを知ることが必要です。これと同様に、文章をチェックするときには、チェックするためのルールを整備していく必要があります。日本語の場合、まだ文法が確立していませんから、こうした意識が希薄なのかもしれません。
日本語に文法がないからこそ、文章読本の類が読まれてきたといえます。しかし、さすがに最近は、文章読本を読む人もいなくなったようです。少なくとも若者で、文章読本を読んだという人は例外中の例外になってきました。大切なのはルールの方です。
3 アプローチ転換の端境期
文章のチェックをするときに、適応すべきルールを認識し、それを使えるようにすることが大切です。リーダーは、どんなルールを、どんな風に使ったらよいかを検討し、自分流の仕組みにしていく必要があります。チェックしながら、改善していくということです。
魚を与えるよりも、魚の釣り方を教えるという話があります。文章チェックをして、スタッフの文章レベルが上がるようにするには、魚の釣り方を教えるしかありません。ルールとその運用方法を教えることです。それを考えることがリーダーの勉強になります。
ルールを作り、運用の仕方を仕組みにしたなら、あとは実戦のみです。スタッフが文章を作るときに、ルールが使えるようにトレーニングしていけば実力がつくでしょう。リーダーは、スタッフを評価しながら、仕組みを改良していくことで実力がつくはずです。
受講される人たちを見ていると、まさに現在、端境期にあるような気がしてきます。従来型の赤ペン先生方式で添削するアプローチが徐々に消えていきそうです。ルールを仕組みにしてチェックしていくアプローチが、早く主流になることを期待しています。
